建物構造対決 Episode1.令和の時代も揺るぎなき絶対王者 RC造|株式会社R-JAPAN

建物構造対決 Episode1.令和の時代も揺るぎなき絶対王者 RC造

目次
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建物構造対決Episode1.
令和の時代も揺るぎなき絶対王者 RC造

今回のコラムより建物構造による対決を行います。その前に各構造の特徴を皆様に様々な観点よりお伝えし、果たしてどの構造が皆様のニーズに合うのか?というシリーズものです。あくまでも個人的な目線ですのでご参考になれば幸いです。

皆様の多くは、RC造の物件が何と言っても一番じゃあないか。と思われるのではないでしょうか?私たち業界においても総合力ではRC造が一番かなぁ。という意見が多いのも事実です。
そこで釈迦に説法かも知れませんが、RC造の特徴、メリットデメリットからお話ししたいと思います。

RC造の特徴

RC造の特徴

RC造とは「鉄筋コンクリート造」でコンクリートと鉄筋が一体となった構造を言います。それぞれの弱点を補うことで大型建築物が可能となった建築史上最も人気のある構造です。

ここでそれぞれの特徴について触れておきます。コンクリートの特徴は打設(圧縮)と熱に強く、引っ張りには弱い材質で、鉄筋は打設(圧縮)と熱に弱く、引っ張りには強いという材質です。
そこで、それぞれの弱い性質を補うべくこれらを組み合わせることによって生まれたのがRC造ですね。しかもコンクリートの中に鉄筋を入れることによって鉄筋のもう一つの弱点である「サビ」に対してコンクリートで覆うことにより、鉄筋を火からもサビからも防ぐことが可能になりました。
この鉄筋コンクリート材を建物の主要部分である「柱」「梁(はり)」「壁」に配置することで非常に強固な建物となります。
特に地震大国である日本において、この構造は「間違いない!」と言われるほど強固な建築物です。

ただ、世の中に「絶対」や「完璧」と言ったものは少なくこれほどの構造においても想定外の地震や経年劣化、風雨等によるコンクリートの酸化といったものは回避することはできませんので、基礎の杭打ちや外壁塗装やタイル張りによる表面塗膜の補強等を加えることによってデメリットを極力抑えてRC造は現存しています。

RC造のメリット・デメリット

RC造のメリット・デメリット

○メリット

①耐震性が高い
特徴でお話ししたコンクリートは打設に強く、鉄筋は引っ張りに強いというそれぞれのストロングポイントが、極めて高い耐震性をもたらしてくれます。
また全体の重量を壁による「面」で支える構造が、枠で支える他の構造と比較して建物にかかる負荷を分散してくれますので、縦揺れや横揺れ、突き上げ又はその複合の揺れによる建物への損傷やダメージを最小限に抑えることができます。
②耐火性に優れている
RC造は非常に熱に強い構造で、1000℃程度の炎に数時間さらされても崩れ落ちることもないですし、その強度も落ちません。(コンクリートは不燃材料です)住宅密集地や都心部のオフィス街では延焼を防ぐことができます。これによって火災保険の保険料は一般の木造住宅と比較して3分の1程度に抑えられます。
③断熱性が高い
そもそもコンクリートと鉄筋で構成されていますので、材質自体の気密性が高く、この時点で断熱効果に優れています。そこに柱と壁が一体として構成されていますので、更に隙間が生じにくい構造になり、必然的に高い断熱性能を発揮するので断熱性が高い。となります。
断熱性が高いことにより空調効率が高くなり、その結果光熱費が節約できます。
夏はその気密性の高さを活かして、部屋の温度が逃げにくいことから冷房温度を高めに設定しても涼しく過ごせますし、反対に冬は断熱性が高いことで外気からの冷気が進入しにくくなり、たくさんの暖房器具を使わずとも暖かく過ごせます。
④遮音性に優れている
コンクリートは気密性が高く重量も大きいので、振動制御に優れ音を伝えにくくしています。
つまり外の騒音や雑音の遮音効果が高く、中の音も外に漏れにくいので静穏性が保たれます。
⑤耐用年数が長い
皆様ご存知のとおり、RC造の法定耐用年数は住宅用では47年と木造と比較して2倍以上の耐用年数ですね。
これにより他の構造物より減価償却においても高い資産を生み出しておりますし、金融機関の審査においても担保評価に反映されていることは紛れもない事実だと思います。
ちなみに事務所使用のRC構造では耐用年数は50年です。
⑥建物の外観デザインの自由性が高い
曲線や円形(アールの構造)という、他の材料では実現が難しい外観デザインも、このRC造なら作れます。
また強度が非常に高いので部屋のピッチを拡げ大きな空間を作ることができ、それは特にファミリー物件においては限られた空間の中でも解放感を与え、購入金額に対するデッドスペースが少ない点で、その空間のほとんどを使えることから使用空間の無駄が少ないと言えます。

△デメリット

①建築費用が高い
一番のデメリットはこれではないでしょうか?木造や鉄骨造と比較しても圧倒的に建築費用は高いですね。 そもそもコンクリートと鉄筋という部材の単価が元々高いところに、その部材を組み合わせたのですから原価自体が高いというスタートからもう既にプライスリーダーになっています。そしてそこに工期や工程の複雑さや工程順番があり、人件費と時間も他の建築物とは大きく違います。更にコンクリートの打設や養生期間の工程では天候にも左右されますので、予備日も確保すると工期日程は当然長くなります。
また最近のウッドショックやアイアンショックも高いコストに拍車をかけており、木造と比較して2倍以上のコスト高も珍しくありません。言い訳がましいようですが、耐用年数が長いので、トータルコストとして見れば「無条件で高い」とは言えないという見方もできますが、果たして…。
②重量が半端なく大きい
RC造はそのすべてが「重い」と言っても過言ではないでしょう。
コンクリート・鉄筋が重い(つまり地上から上の重量が大きい)のではもちろん、それを支える基礎もかなり強固に作る必要があります。そこに地盤が軟弱なエリアや地盤沈下(特に不当沈下を起こすような土質強度が何種類にも異なる成分で構成されているような場所)、液状化現象の可能性が高い埋立地等においては、これを補強する地盤改良や杭打ち等が必要になるため、全体的な重量増とともに費用負担を強いられます。
更に外壁保護も兼ねた磁器質タイルを全面に張るような場合には更にタイルの重量も加算されてきます。
③気密性が高いが故の結露やカビの発生
気密性に優れてることはデメリットにもなります。 部屋内での湿気が逃げにくいことで、結露を起こしやすくカビの発生率も同時に高まります。
特にファミリー物件のバルコニー部分で外気温度と壁面のコンクリートの気密性能と断熱性能の違いから、掃き出し窓に結露が生じやすく、冬に掃き出し窓のカーテンの下部が湿気でびっしょり。と言ったご経験をお持ちの方もおられるかもしれません。
特にアレルギー体質の方にはカビは大敵だと思いますので、部屋内では定期的な換気が必要になってきます。
最近の分譲マンションでは24時間換気システムによって対策が講じられてはいますが、換気ダクト内にもカビが生息しますからそこの清掃も必要になってきます。(換気ファンや換気ダクト用に防カビスプレー等が市販されています)
④増改築が難しい・解体費用が高い
建物全体が非常に丈夫で強固に作られますので壁を撤去したり、解体する際にはその費用は非常に高いです。
また外壁ではコンクリートの敵とも言える「酸化」や微振動や自重を原因としたコンクリートのクラック(ひび割れ)を防ぐには定期的な外壁塗装工事が必要で、そのメンテナンス費用も一般的には高い水準にあります。

まとめと次回予告

いかがでしたでしょうか?建築物の中では絶対的に優れたRC造ではありますが、泣き所もありますね。
ただ、メリットがデメリットを上回るのではないか?という印象はあると思います。

それでは次回以降の予告をここでお知らせ致します。

こうご期待!!

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