相続トラブルが多発するデジタル資産|株式会社R-JAPAN
相続トラブルが多発するデジタル資産
前回は国税庁の「分かりやすい相続税」をお送りしましたが、それでも現代社会のスピードには遅れがちで、法の整備も含めて現代の相続トラブル!本人も把握しきれていない!?デジタル資産について触れてみます。
これは、これまで起こり得なかった新たな問題点ですね。
銀行や証券会社のネット口座や暗号資産等のデジタル資産は、相続によってデジタル遺産に変わるかも知れません。
今回、少し長いですが必見です!!
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デジタル資産のトラブル
デジタル資産は、相続人がその存在に気付かないケースが本当に多く、またこれは被相続人が決して隠していることでもなく、パソコンやスマホに遺産として残り、これが相続の際に見つかればまだ良いですが、遺産分割協議後に新たに見つかる(見つける)と遺産協議のやり直しが必要となります。そしてこのやり直しの時間が、相続税の申告期間である10ヶ月の壁に阻まれ加算税や延滞税が発生しトラブルになっています。これは、側面的には日本特有の文化も関連していると思うのです。
相続財産と言えば不動産のイメージが強いかと思いますが、国税庁によると相続財産の構成比は2022年のデータを見てみると、
- 1位:
- 現金・預貯金等(34.9%)
- 2位:
- 土地(32.3%)
- 3位:
- 有価証券(16.3%)
- 4位:
- その他(11.4%)
- 5位:
- 家屋(5.1%)
このように現預金と有価証券が51.2%と過半数を占め、土地と家屋の不動産は37.4%に留まります。
この2大財産の共通点は「目に見える現物資産」ということです。これが日本の文化的な特徴だと思うのです。
ところが最近では、(今後は、と言った方が正しいかと思いますが)ネットで管理する現金や株式、投資信託、NISA、保険等に加え、暗号資産やFX、電子マネー等が浸透し、デジタル資産の増加傾向にあります。
冒頭で述べましたデジタル資産がデジタル遺産に変化するのはこのことで、その存在を示す実物がないため把握することが困難になっています。
デジタル資産には、通帳や証券等の紛失や盗難のリスクが減る利点がある一方、紙媒体の記録が手元にないことから資産の手掛かりが残りにくく、金融機関も取引内容や履歴を郵送等で通知しないのもデジタル資産の特徴で、相続人がデジタル資産の存在に全く気付かないケースが多発しています。
そして、この多くで更に困難を極めるのがIDとパスワードの存在です。ネット上の金融資産では、ネット上で名義変更を行うしか方法がなく、この名義変更にもIDとパスワードが必要不可欠です。相続人がIDとパスワードを知らなければデジタル遺産となります。
デジタル遺産によるリスクや損失
仮に、デジタル遺産の存在を相続人全員が全く把握しておらず、遺産分割協議に入り、協議が成立したとしても、後にこれらデジタル遺産が見つかれば、せっかくまとまった遺産分割協議をまたやり直す羽目になります。
また、デジタル遺産になったとしたら、利益が出続けるならまだしも損失が出て(例えば有価証券取引で評価額の暴落等)発覚すれば、相続税の負担増になる可能性もあります。これはデジタル資産というのは原則、相続開始日の価値で評価額が計算されるため、遺産分割協議がまとまるまでに下落しても、相続税の計算では考慮されませんが、処分するタイミングによっては損失が生じるケースも考えられます。更に知りたくはないですが、ネット銀行などに借金が残されているケースもあり、こういった“負の遺産”の存在を知らずに相続をする。しない。の選択の期間を過ぎてしまえば、負債の返済義務等を背負うことにもなります。
負の遺産が高額であれば、相続税額も多額になりますので、納税資金に苦慮することも、修正申告した場合でも延滞税や過少申告加算税の納付も発生します。
事前にできる対策方法
対策としては、遺産を把握できない相続人には照会制度等を利用して被相続人の口座の有無やその内容、保険の加入状況等の情報は得ることはできますが、それにも手掛かりがないとやみくもに照会せざるを得ないので、途方もない時間が過ぎ去ります。
そして被相続人が認知症を発症してしまえば、更に深刻な絶望的な事態に発展しますので、相続人がこんな苦労をする前に被相続人となる方には、ご家族が困ることのないよう資産の一覧表やID・パスワードの記録を作成しておくことをお勧めします。
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