耐震・制震・免震の違いは? ~番外編~|株式会社R-JAPAN

耐震・制震・免震の違いは? ~番外編~

耐震・制震・免震の違いは?
ー番外編ー
 


《世界最強の⁉の建物》法隆寺

R-JAPAN情報部の見解は、以前おもしろ荘にほんの少しだけ世界最古の木造建築物としてご紹介した(建物構造対決 Episode final内の編集こぼれ話)法隆寺が地震に対しても最強だと思うのです!!!

『お~い、R-JAPAN情報部!どんだけ法隆寺好きやねん(笑)』

むむっ驚くなかれ!
今から1300年以上も前に創建され、今なおその姿を現在に留めている法隆寺。
いえ、法隆寺だけではありません。

日本全国には約500か所以上に五重塔や三重塔といった「木塔」が現存しています。
そして今から29年前の1995年に発生した阪神淡路大震災におきまして、兵庫県内にある15基の三重塔は1基も倒壊していませんでした!!!

皆さん!!
五重塔や三重塔は木造ですよ。
鉄骨造やRC造じゃないです。
しかもこの当時ですから当然、吸収ダンパーや免震工法の地盤と建物がドラえもん状態のような切離しではなく、しかも!何と!躯体柱は礎石の上に乗せているという構造で倒れないんです!!!

『やったぁ・・・木塔が最強構造で何故か嬉しい』

これら木塔は究極にして最強の制震工法で建てられているからなんです。

えぇっ!?どうして??

マニアックにご説明させていただきます。



ーここから先はご自由にお読み下さいー
邪魔くさい方は別のコラムにスキップして下さい。

まず、木塔は何層にも重ねられた建物の形状が特徴的で、この形状が地震にはめっぽう強いです。
地震が起こると建物は揺れますが、例えば初層が右に揺れれば、2層目は反動揺れを起こして左に揺れます。
そして三層目が更に反動揺れを起こして右に揺れます。
つまり各層が互いに違う方向に揺れることによって全体で衝撃を吸収し揺れを抑えます。
この左右に揺れる仕組みを作っているのが、実は各層が接合されていない独立層になっているからなんです。

んん!?
それでも繰り返しの揺れで揺れ幅が大きくなったら、接合していないし、各層が左右に飛んで行ってしまうのはないですか?

日本の大工さんは、考えました★
それは建物の中心部に「心柱」を通すことで、究極の制震工法としたのです。

この心柱が現在の制震ダンパーと同じ役割を果たし、塔自体が右に傾けば心柱は左に動き、その逆も同じで建物自体の自立を保つ効果を確立させました。
心柱はヘビのような動き(スネークダンス)をします。
更に揺れが大きくなればなるほどに、振り子の原理が大きく働き、例え心柱が各層の床組にぶつかっても横揺れ振動に歯止めをかけ続けます。
これは鉄やコンクリートといった材質に比べて木は柔らかく柔軟性や収縮性があるからということも言えますが、地震や風雨(台風)といった自然の力と建築物を同化させてしまうという、なんとも見事な先人たちの発想力と知恵、そして飽くなき探求心が刻まれています。

大陸から来た技術に日本独自の気候風土に合わせたアレンジ力や技術革新・発想力は、物作りニッポンのDNAに確実に伝えられているのではないでしょうか。


※追記※
そう言えば、毎月の全体朝礼が朝少し早いのですが、木塔のような動きをして揺れを防いでいる制震人間がいたな・・・。
彼は体内に心柱を持っているのか?また謎が生まれた・・・。

『今度、聞いてみよっ(笑)』







-第1回 耐震ー
-第2回 制震ー
-第3回 免震ー
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